(院長アメブロ July 05, 2016記事より)
鼻尖形成、プロテーゼ挿入後
非常に問題になるのは
瘢痕の増殖です。
瘢痕は線維成分が主体で
手術した部位が
腫れたように見えたり、
かたくなり、
時として
団子鼻の様になったり、
鼻の穴が小さくなってしまいます。
乳房インプラントのまわりに
かたいカプセルができることがありますが、
これも線維である瘢痕です。
鼻根から鼻背に
シリコンプロテーゼを挿入し、
数ヶ月で鼻が大きくなったり、
鼻尖縮小したにも関わらず
術後1ヵ月もたたないうちに
鼻先がふくれてくる場合があります。
これが瘢痕の増殖によるものです。
通常瘢痕の増殖は
術後3~4ヶ月がピークで
その後徐々に減少します。
ところが鼻の場合は
なかなか瘢痕が減りません。
むしろ3~4ヶ月まで増え続け、
その後は変化せず、
その部位に居座り続ける傾向にあります。
また瘢痕は切除しても瘢痕が
再度発症しやすく、
瘢痕切除は
瘢痕を誘発することも問題です。
せっかく鼻を整えたり、
小さくする手術を行っても
瘢痕によって術前より大きな鼻になってしまっては
全く意味のない手術になってしまいます。
瘢痕は非常に恐ろしい病態で、
瘢痕切除は瘢痕を呼びます。
つまり鼻部皮下組織に瘢痕が出現すると
多くが手術適応はありません。
経験上、
瘢痕になりやすい方は
脂腺肌で鼻の毛穴が開いている場合です。
当院における瘢痕に対する基本方針は
以下の通りです。
①団子鼻の手術である鼻尖縮小術では
過剰な皮下組織切除は行いません。
皮下組織を取り過ぎると血行障害をきたし、
瘢痕増殖を誘発する可能性が高くなるためです。
②プロテーゼ挿入や鼻尖形成で
瘢痕が増殖したケースでは
瘢痕切除や瘢痕減量術を行う場合、
術前3週間前からリザべン(肥厚性瘢痕治療剤)を
内服して頂き、術後3~4ヶ月間続けて頂きます。
瘢痕増悪の予防のためです。
③瘢痕切除、瘢痕減量術を行っても
再度瘢痕が増殖するようなら、
もう手術適応はありません。
ステロイド注射による治療に変更させて頂きます。
④脂腺肌で特に鼻の毛穴が開いている方の手術では、
3週間前からリザべンを内服して頂きます。
↓リザべン:肥厚性瘢痕治療剤
成人は1回1カプセルを1日3回内服して頂きます。
国内の製薬会社であるキッセイ薬品のもので
臨床成績は
ケロイド・肥厚性瘢痕に対する有効率は
有効以上59.7%、やや有効以上が87.2%です。
妊婦さん(特に3ヵ月以内の方)
または妊娠している可能性のある方は
内服できません。
内服中に
頻尿、残尿感など膀胱炎様症状が出現したときは
内服を中止して頂き、
内服をやめるとすぐに改善します。
当院では瘢痕になりやすい方や
鼻の手術ですでに瘢痕が発症してる方は、
手術を行う前より積極的にリザベンを内服して頂いております。
銀座すみれの花形成クリニック
院長 横山才也
銀座すみれの花形成クリニック
ホームページ
http://ginza-sumirenohana.com/