皆さまからよくお寄せいただく麻酔に関するご質問に、
当院非常勤麻酔科医 遠井健司医師が回答させていただきます。
麻酔科 遠井健司医師

出身校:
昭和大学医学部卒業
昭和大学医学部大学院卒業
資格:
医学博士
麻酔科指導医
集中治療専門医
呼吸療法専門医
老年麻酔認定医
趣味: 読書 (ミステリー小説等)
今一番関心のあること: 将来
遠井先生より患者様へ
銀座すみれの花クリニックで働くことになったのは、横山先生が開業される際、誘われたのがきっかけです。
昭和大学病院に勤務している時期に、横山先生とは医局長同士お付き合いがあり、一緒にオペもよく行っていました。また、マダガスカルの医療支援に一緒に同行したこともあります。
麻酔に対する漠然とした不安は、オペに臨まれる方なら多かれ少なかれ誰もが抱くものだと思います。ご不明な点がございましたらご遠慮なくご質問をお寄せください。
遠井先生から見て横山院長はどのような形成外科医ですか:
美容外科医、形成外科医として、ポリシーと技術があり、頼りがいがあります。
患者さんと真摯に向き合って、手術を施行しています。
適切な助言や治療を実施する信頼できる医師だと思います。それをサポート出来、よかったです。
横山院長から見て遠井先生はどのような麻酔科医ですか:
開業の際、真っ先に声をかけたのが遠井先生です。もう25年以上のお付き合いになります。麻酔科医というとあまり一般の方には接点がないかもしれませんが、執刀する我々にとっては非常に重要なパートナーです。遠井先生は大学病院で一緒にオペを行ってきた麻酔科医の先生の中でもとても腕が良く、人格的にも信頼のおける先生です。
Dr.遠井 Q&A
全身麻酔と静脈麻酔の違いはどんな点でしょうか。
→全身麻酔は、鎮静薬、鎮痛薬、筋弛緩薬を使用して麻酔管理します。
完全に意識のない状態で、痛みを感じることもなく治療を行う方法です。
全身麻酔の場合は、呼吸管理を安全に施行するために、気道を確保する器具を使用します。
静脈麻酔は、鎮静薬、鎮痛薬を使用して麻酔管理します。
適量の鎮静薬と鎮痛薬を投与し、完全に意識のなくなる場合もありますが、少しウトウトした状態で治療を行う方法です。たいていは完全に意識がなくならないので、治療中に身体を動かす人もいます。局所麻酔と併用することで治療を行います。静脈麻酔の場合は、効果に個人差がおおきく、十分な治療が行えないことがあります。
麻酔方法は、手術方法や手術時間などによって決まります。
全身麻酔は静脈麻酔よりも大変な麻酔・・という印象があります。
→静脈麻酔は患者様によって効きが様々で、中には麻酔がかかりにくい人もいます。全身麻酔ならそうした不安定さがありませんので、執刀医も手術に集中できるメリットがあります。
麻酔が覚めたら急に痛みが出たりしますか?
→痛み止めを使用します。
全身麻酔を受けると6年寿命が縮むと言う都市伝説(噂)がありますが本当ですか
→日本ではありえません。
手術のためにマニキュアを全て落とすように言われました
→血液中の酸素レベルを測定する酸素飽和度測定の精度が落ちるからです。
測定は通常、指先にモニターを装着して行います。手術中の酸素飽和度測定は安全管理に大変重要です。
全身麻酔の経験があるのですが、麻酔覚醒後の吐き気が強いのが痛みよりも恐怖で、全身麻酔は受けたくないのですが、、
→術後の悪心・嘔吐は、非常に不快ですよね。
そうならないように、きめの細かい管理をしています(それでも起きることがあります)。
喘息の持病があり全身麻酔を受けることができるか心配です
→喘息の発作が起きないように、日常的に管理出来ていれば、大丈夫なことが多いです。持病をお持ちでご心配な方は予めご相談ください。
全身麻酔のために受ける内科検査にはどのようなものがありますか
→一般的には、血液検査、心電図検査、胸部レントゲン検査、肺機能検査です。
その他、合併症があれば、必要な検査を追加します。
二重切開の時は局所麻酔でした。なぜ鼻の手術は全身麻酔が多いのですか
→全身麻酔の適応は、手術方法や手術時間などによって決まります。
小さな手術であっても全身麻酔が必要になることがあります。
麻酔がかかりにくい人の特徴は
→全身麻酔がかかりにくい人はほとんどいませんが、
静脈麻酔の場合は、患者さんの緊張や不安が強い場合、常用薬などによってかかりにくいことがあります。また、日頃から飲酒量が多くアルコールに強い方も効きにくいことがあります。そのような方でも全身麻酔では安全に手術ができます。
*クリニックでは、遠井医師の他にも大学病院所属の十分なキャリアのある麻酔科専門医に依頼しています。ご不明な点がございましたらお気軽にお尋ねください。
クリニックからみなさまへ
<服用中の薬について>
服用中のお薬については自己判断せず全てお申し出ください。

心療内科で処方された薬を服用していますが全身麻酔手術は可能ですか
→可能です。事前に必ずお知らせください。
全身麻酔を受けるために服用を中止する必要がある薬はありますか
→代表的な薬剤は、抗凝固薬や抗血小板薬、糖尿病薬などです。
薬剤によって異なりますので、必ずご相談ください。
生理薬やピルを内服している方
→全身麻酔手術の4週間前には服用を中止してください。
抗血小板薬、抗凝固薬(血液さらさら)、ユベラを服用している方
→必ず事前にお申し出ください。
薬剤アレルギーのある方
→必ず事前にお申し出ください。
その他、よくあるご質問
私が静脈麻酔を断られ全身麻酔になったのはなぜですか
→以下のような方は静脈麻酔に向きません(手術中に体動が多くなります)
・睡眠薬、抗うつ剤など心療内科から投薬を2年以内に受け、1ヶ月以上内服の既往がある方
・飲酒に対して強い方(目安はワイン1本程度飲める、ビール500ml3本程度飲める、日本酒2合程度以上飲める、家族に飲酒に強い方がいる、遺伝的にアルコールに強いなど)
全身麻酔代金が高いのはなぜですか
→当院の全身麻酔では、より安全な手術を目指して技術とキャリアがしっかりとしている麻酔科専門医のドクター1名を招聘しています。麻酔科医は手術日だけ担当しているわけではありません。
低体重の方やメンタルが不調な方、持病をお持ちの方は、安全に全身麻酔手術を実施するために主治医の先生と連携を行ったり、当院で管理をしたりし、麻酔科医と情報を共有しながら進めます。元気な方でも手術までの間に急に風邪などの感染症にかかってしまった場合、手術日を良好なコンディションで迎えるために服用する薬剤や体調の管理をいたします。
手術当日の薬剤についても、オペ中の不測の事態に備える薬剤も含め、当院では品質の高いものをご用意しております。全身麻酔は一日1件のオペのみとし、安全にお帰りいただくことができるまでお時間に制限なくリカバリー室でお過ごしいただける体制も整えております。直接目に見えない部分に対するご負担となりますが、安全を重視する当院の考え方と料金についてご理解頂きますようお願い致します。
全身麻酔で、追加料金が発生するのではないかと不安です
→長時間手術では、基本(5時間)料金に加え、超過1時間あたり税込33,000円の加算をご請求させていただきます。超過する可能性がある方は限られており、必ず事前にご了承をいただいた上で手術を行いますので、手術が長引いたからと突然請求が発生することはございません。また、超過分をいただきすぎないよう、超過時間は10分刻みで計算し最低限のご請求を行うようにしております。
全身麻酔手術を静脈麻酔手術に変更できるかどうかについて
手術費用を抑えたい方や、一度全身麻酔手術を受けられた経験がおありで術後に嘔吐で苦しい思いをされた方から、「全身麻酔を静脈麻酔に変更できないか」とご相談をいただくことがありますが、手術内容が変更にならない限り麻酔の変更はできません。
全身麻酔手術に該当される方は、ほとんどの場合、鼻の手術の場合は、広範囲の剥離や鼻中隔の深い場所への侵襲など、安全面を最優先しなければならない患者様になります。このような患者様には、術中に、鼻中隔粘膜から出血し鼻腔内に血液が流れ、気管内に血液が入ることも想定して手術を行なう必要があります。もしこれを静脈麻酔で行った場合、適切な対応ができない場合は最悪患者様が死亡するリスクが発生します。医療は常に危険と背中合わせだとお考えください。
実際のところ、静脈麻酔中に鼻中隔粘膜から出血した場合、適切に処置することにより気管内に血液が流れる事態は当院では阻止できますが、その場合、手術は一旦中止、次回、全身麻酔で再度手術を行うことになります。結局患者様は2回手術を受けることになり、2回目は全身麻酔手術を受けていただくことになります。
これまで事故がないのならどちらでも良いのではないかとお考えになるかもしれませんが、事故のないように安全な麻酔を選択しているのでこれまで事故がありません。患者様が前医で受けた手術が侵襲ある手術であれば、当然修正では、何が起こっても対応できる準備が必要です。
当院は、安全な手術しか行いません。患者様には麻酔に対するご理解を求めます。
「全身麻酔手術の後に頭が悪くなった」という口コミについて
全身麻酔の薬剤は数時間で代謝され体内からなくなりますが、その影響は長い方で24時間程度残り、眠気や集中力の低下などがあります。個人差があり、判断力や反射能力が普段通りに戻るまでにはもう2〜3日ほどかかる方もいらっしゃいますが、完全に代謝・排泄されるため、身体に薬剤が1日以上残り続けることはありません。
当院で「手術を受けてから頭がボーッとする」と申告がある場合、一部の感染リスクが高い方に使用した抗生物質の影響も考えられます。麻酔薬が原因ではなく、その抗生物質をやめると半日程度で症状が消えます。
「数ヶ月経っても頭の調子が悪い」「頭が悪くなった」ということは現代の麻酔では起こりませんので、日頃服用されている薬剤やサプリメントの副作用、他のご病気を疑ってください。また、そのような口コミをご覧になって心配になった場合は、ご遠慮なくお知らせください。正しい情報をご提供いたします。
「大病院で手術を受けた時にすみれと麻酔のやり方が違った、すみれの全身麻酔は大丈夫か」というご質問について
このお申し出があったため調査したところ、偶然にも、患者様が当院で受けられた手術の麻酔科医はA医師、大病院で受けられた際の担当は当院麻酔科B医師でした。この2名の麻酔方法を比較したところ、確かに手順に相違はありましたが、麻酔科医の手順がキャリアや経験によって若干異なるというのは普通のことです。当院は麻酔の薬剤も大学病院や総合病院レベルのものをご用意しております。少なくとも当院においては「大病院の方が麻酔科が凄い、大病院の麻酔科医の方が上手」と言われるようなことがないレベルであることを断言することができます。
痩せすぎていて体重もBMIも低いのですが手術を受けることができますか
BMIは手術にとって重要な数値です。低すぎても麻酔をかけることは不可能ではありませんが、一般にBMI:15を下回っている方には合併症のリスクがありますので、BMI:15を超えることを目指して術前に管理をしていただいております。また体重も一定のラインを下回ると術後の体調の回復が悪く、創傷治癒にも影響を与えるため、手術は控えさせていただくことにしています(個別に検討します)。
また低体重の方は、術後の食事摂取量が少ないと、低血糖になりがちで、まわりが気づかないうちに意識障害に至ることがあります。体重を増やす努力をし、手術を乗り越え、回復していく体力を備えてから手術をお受けください。
当院では術前術後の体重管理については個別に指導を行なっております。
また、神経性過食嘔吐症については、BMI:15以下であることが多く、低カリウムになっているので、その場合は手術をお引き受けできません。BMI:15以上であることと、カリウムが正常値(少なくとも当院検査で3.0以上)となってから手術となります。
麻酔の後に声がガラガラになった
嗄声(させい)という症状で、全身麻酔では喉にチューブを入れて手術が行われるため、麻酔手術のリスクの一つとして発症することがあります。声を使ったお仕事の方はご心配になるかもしれませんが、数週間から数ヶ月で改善しますのでご安心ください。このリスクは一般的なリスクですので、嗄声になっても様子を見ていただくことしかできません。
全身麻酔によって喉(披裂軟骨/ひれつなんこつ)が亜脱臼になった
こちらは施設により報告にばらつきがあり、1,000件に1件、1万件に1件と報告されています。稀な全身麻酔のリスクですが、当院では開業以来 1 例発生しております。この例は速やかに耳鼻科と連携を行い、患者様は整復術を受けられました。耳鼻科医から「挿管が乱暴だったということはないか」というご意見をいただき、速やかに院内でも調査を行いましたが、当日手術室に入った全ての職員を調査した結果、麻酔方法や手順に問題はなく、術中にお顔の向きを変え管を動かす手術ではなく、挿管も抜管もスムースであったとの報告がありました(挿管や抜管は全員動かず見守る中での実施となります)。それでも患者様によっては亜脱臼が起こる可能性がある、ということを経験いたしましたので、1000件や、1万件に1件とはいえ防ぎようのないリスクとして、術前により詳しくリスクの説明を行うようにしております。
銀座すみれの花クリニックでは、総合病院や大学病院で日々様々な手術の麻酔を担当している麻酔科専門医に全身麻酔を依頼しております。多くの総合病院や大学病院が技術の高い麻酔科を奪い合っている中、実力・実績共に申し分ない3名の先生を招聘できることは本当に幸運なことだと考えております。院長自身も麻酔科標榜医の資格を有しており、日々安全に配慮して手術を行っております。麻酔に関してご不安な点がございましたらご遠慮なく医師にご相談ください。
