【専門医解説】注意喚起:鼻プロテーゼの上にはヒアルロン酸を注入できません 感染の可能性 鼻の変形とアップノーズ

December 07, 2017の記事です

鼻のプロテーゼ上には

ヒアルロン酸を注入すべきではありません。

プロテーゼが入っているのに

もう少し高くしたいからと言って、

ヒアルロン酸を注入すると

プロテーゼが感染してしまうことがあります。

ヒアルロン酸注入前の

不十分な皮膚消毒では、

感染することがあり、

この場合

注入から1~5日程度で

鼻部が発赤し、腫れます。

プロテーゼが感染したときは

抗生物質の内服や点滴で

様子をみるべきではなく、

プロテーゼ摘出が第一選択となります。

鼻孔縁を切開し、

ドレナージチューブを挿入し、

毎日洗浄といった方法もありますが、

改善に時間がかかり、

鼻翼軟骨が健康なかたちのままで

治療しないケースもあります。

特にプロテーゼが感染したにもかかわらず

内服薬や点滴だけで様子をみると

炎症が拡がり、

鼻の皮膚が拘縮し、

鼻翼軟骨が収縮することで

鼻尖の変形、アップノーズを発症します。

また感染の増悪で

皮膚に穴が開き、排膿することによって

その傷あとが残ることもあります。

鼻プロテーゼ上や近傍に

ヒアルロン酸を注入することは

感染するリスクがあり、

控えなければいけません。

以前鼻プロテーゼが入っている患者様で

他院で眉間にボトックスを注入し、

プロテーゼが感染した方が

当院にお越しになったことがありました。

鼻プロテーゼが入っている場合、

鼻へのヒアルロン酸注入は控えるほうが良く、

眉間や鼻根周囲へのボトックス注射は

慎重な検討が必要かと思います。

以下の画像は

鼻根に数回ヒアルロン酸を注入したところ

横に拡がってしまった患者様です。

↓初診時

 鼻根を高くし、すっきりさせようと

 何度も注入しているうちに

 太い鼻根になってしまいました。

顔の中央部分、鼻と皮膚の質感がクローズアップされた画像

↓ヒアルロン酸を溶解し、

 鼻根から鼻背にI型シリコンプロテーゼを

 入れることになりました。

 溶解すると鼻根から鼻背は平坦になりました、

顔の中心の部分を示す画像。鼻と周囲の肌のテクスチャーが見える。

↓プロテーゼ挿入から2ヵ月です。

 希望通りの細めの鼻根になりました。

 この患者様は同時に鼻尖形成も行いました。

顔の近接画像、鼻と口元が中心に写っている。

この患者様は

術後の結果に満足されていましたが、

プロテーゼを挿入した患者様の中には、

数か月経つと

鼻の高さやかたちに慣れてしまい、

物足りなさを感じる方もいらっしゃいます。

高いプロテーゼを入れると

抜きたくなり、

控えめなものを入れると

もっと高くすべきだったと考えがちで、

現状を受け入れる努力も必要です。

慣れに負けて、

ヒアルロン酸を注入するといったリスクを

安易に選択しないようお気をつけください。

銀座すみれの花クリニック
医学博士 院長 横山才也

日本美容外科学会(JSAPS)専門医
日本形成外科学会専門医

ホームページ
http://ginza-sumirenohana.com/

【専門医監修】他院鼻中隔延長術後の全摘手術について

鼻中隔延長術(びちゅうかくえんちょうじゅつ)は、主に鼻先の形状や鼻全体のバランスを整えるために行われる美容外科手術であり、軟骨(例:耳介軟骨、肋軟骨、鼻中隔軟骨など)や異物(メディポワ、PCLシート、他人の肋軟骨)を使用して鼻先を高くする手術です。*移植片や留置する異物はクリニックによって異なります。

移植片や留置した異物を全摘出のみをする場合、以下のような結果が予想されます。


美容的な影響

  1. 鼻の形状の変化・崩れ
    • 延長によって支えられていた鼻先が、短くなったり、下がったり、曲がったりする可能性があります。
    • 鼻尖・鼻柱が不安定になり、鼻先が丸くなる鼻が潰れて見えるといった見た目の変化があります。
    • 鼻がアップノーズになり鼻の穴がより見えるようになることもあります。
  2. 顔全体のバランスへの影響
    • 手術によって改善されていた点が元に戻ったり、アンバランスになる可能性があります。
    • 単純に元の鼻に戻る方は少なく、元の鼻に近いか、元の鼻より低い鼻になることがあります。

機能的な改善

  • 鼻呼吸が楽になる
  • 表情の作りにくさが解消される
  • 鼻先の固さが解消される

⚠️ 「全摘のみ」のリスクと注意点

  • 変形:完全に元の状態に戻るわけではなく、前の手術の影響を受けた結果となります。過激な手術を受けている鼻ほど元の状態には戻りません。
  • 適応:鼻中隔軟骨が採取された鼻中隔延長術を受けている方とEnd to End鼻中隔延長術を受けている方は「全摘のみ」の適応がありません。
  • デザイン:猫手術、貴族手術などフルセットで手術を受けている場合、どこまでリセットすべきか助言を行ったうえ、最終的にはご自身で判断していただきます。
  • 全摘後の結果について:全摘後、ある程度整えて手術を終えますが、手術後の鼻の形の結果について当院は責任を負うことができません。患者様が結果を受け入れる努力が必要となります。ご希望があれば後日再建もできます。

対策や代替案

  • 再建手術を同時に行う:除去と同時に他の軟骨を用いて再建することで、美容的・機能的な、極端な悪化を防ぐことが可能です。鼻翼軟骨形成術+軟骨移植術、ストラット再建術、再延長術などで解決します。
  • 一旦全摘して様子を見て再建手術を行う:全摘後受け入れられるかどうか様子を見て、どうしても受け入れられない場合は再建手術を実施することが可能です。

一度鼻中隔延長を受けていて内部の状態が健康な人とは異なります。一度目の手術よりも結果に限界があることは肝に銘じてください。再度再建する際、瘢痕や組織欠損により、手術の難易度が上がります。


「全摘のみ」の条件

以下の条件に合う方については全摘をお受け入れしています。

✅過度な鼻中隔延長を行うクリニックの手術を受けていない

✅術後2週間以内(まともな手術を受けていれば戻せる可能性が極めて高い)

✅術後のリスクを受け入れる覚悟をしている

✅メンタルのコンディションが悪化していない

✅違和感(突っ張る、固い、笑いにくいなど)をなくして自然に戻りたいと強く希望している

✅健康を優先したい。


修正の選択と費用

以下からご選択いただきます。料金は2026年3月時点のものです。

1、全摘のみ  手術費用:税込1,028,500万円 *モニター割引要相談

移植したものを全て抜き、広がった鼻翼軟骨を整え術後に鼻尖に凹みができたりすることを防ぐ処置をして手術は終わります。「もともとのお鼻に鼻中隔延長によるダメージが残る状態」になります。全摘のみですので、もともと左右差があったり、治せない左右差ができている場合は、左右差はそのままです。*他に何らトラブルのない状態の方の料金です。

2、全摘+再建 修正手術費用:税込150〜300万円程度 *モニター割引あり

鼻翼軟骨修正、自家組織の移植、ストラット法、再鼻中隔延長、などを用いて、高さや尖りをマイルドに変えたり、アップノーズになる鼻孔縁を可能なところまで引き下げ、左右差をできる限り解消し、可能な範囲で美容的な要素を含めたデザインに修正します。手術内容によって料金が変わります。


全摘の症例

全摘と一言でいっても、前医で受けた手術が大きく影響します。お一人お一人状況が全く異なりますので、診察でご説明いたします。わざわざ前医からカルテを取り寄せていただかなくても当院では、患者様からの情報と診察で、受けられた手術の内容をある程度把握できます。

全摘のみのケース

こちらの患者様は、医師が「保存軟骨を入れただけ」でしたので元に戻りました。皮肉なことに「鼻中隔延長と言いながら技術がないから余計なことをしていない」という、詐欺的とも思える行為が不幸中の幸いとなったケースです。

全摘をして1年7ヶ月様子を見たケース

左は全摘前、右は全摘後1年7ヶ月の画像です。鼻先が平坦になりました。患者様は鼻先のボリュームを整えるために再建手術を後日受けられました。

鼻中隔延長手術の術前と術後の比較写真。左側は術前、右側は術後のプロファイル。

全摘の適用がなく再建したケース

過度な手術や乱暴な手術を受けた方で全摘のみを選択した場合は、「全摘後」(画像中央)で手術は終了します。患者様の「全摘後」の画像のお鼻は、元々のお鼻とは異なり、ほとんどの場合術後受け入れが困難になるため全摘をお勧めしていません。*全摘後と再建後の画像はドレナージチューブにぼかしを入れているため鼻孔縁が不自然になっていますが実際は自然な仕上がりです。

当院の診察で「全摘後に受け入れられない程度のアップノーズになる」と言われた患者様です。全摘のみであれば、画像中央の状態で手術が終わります。患者様は再建も選択されました。

全摘の適応がなくアップノーズの可能性が非常に高い方が全摘を希望される場合は、この中央の画像で手術を止めることになります。受け入れる強い決心が必要です。

最も覚悟が必要なのは、技術の低い医師がかなり侵襲を加えた鼻中隔延長術の修正です。確実に全摘は適応外ですし、再建も難易度が上がります。鼻中隔延長術の技術は医師によってプロのデザイナーと子どものお絵描きくらいの差があります。

終わりに

銀座すみれの花クリニックでは、これまでの経験から、患者様のキャラクターやメンタルの状態を見て、全摘後のお鼻が受け入れられない可能性が高い患者様には全摘+再建をお勧めしています。前医の手術でショックを受けたところに全摘後のお鼻の状態が悪いと、メンタルが一層悪化します。再建手術も受けて劇的にメンタルや生活が改善する方もいます。専門医の助言をしっかりと受け止めてご選択ください。


【監修】

日本形成外科学会認定専門医/美容外科専門医(JSAPS)

銀座すみれの花クリニック

医学博士 院長 横山才也