【専門医解説】テンションノーズとは?

穏やかな微笑みを浮かべる女性が顔に手を当てている写真

テンションノーズ(Tension Nose)とは、直訳すると「緊張が生じている鼻」になります。鷲鼻で鼻先が垂れ下がっている状態、を意味します。

「鼻中隔軟骨(鼻の土台となる中央の軟骨)が過剰に発達した状態」を指す解剖学的特徴の名称で、鼻骨を含めた鼻中隔軟骨の成長様式が関与する先天的な鼻の形態であり、家族内で似た鼻の形が見られることも少なくありません。

どのような状態が生じるのか?

鼻中隔軟骨が大きく発達した場合、以下のような一連の「緊張(テンション)」が鼻全体に生じます。


 鼻背(ハンプ):鼻中隔軟骨が中央で押し出されるため、ハンプ(鷲鼻の段差)が出現します。


 鼻尖:鼻中隔軟骨が前に大きく張り出すため、鼻尖の皮膚や軟骨が引っ張られ、結果
として下向き(下垂)にツンと尖る、あるいは垂れ下がった状態になります。


 上唇: 鼻の下(鼻柱基部)が前に引っ張られるため、上唇が引っ張られて短く見えた
り、笑ったときに歯茎が見えやすくなったり(ガミースマイル気味に)します。

解剖学的な状態とその表現


テンションノーズは「ハンプ」と「鼻尖の下垂(垂れ鼻)」がセットで引き起こされている解剖学的な状態そのものを指します。

臨床的にも「テンションノーズ」という言葉自体が「ハンプ+鼻尖の下垂+組織の突っ張り」という一連の状態を指すことがあり、「テンションノーズ=垂れ下がった鷲鼻の状態」と表現することはあります。

患者様には、単に骨や軟骨が盛り上がっているだけの一般的な鷲鼻(ハンプ)と区別して、「鼻中隔軟骨の過発育による突っ張りが原因で鼻先が垂れ下がっているタイプ[=テンションノーズを伴う鷲鼻]」だと説明することが多いです。

鼻の種類について、ハンプとテンションノーズの2つのタイプを比較したイラスト。左側にはハンプの特徴が説明され、右側にはテンションノーズの特徴が示されています。

治療における注意点について


一般的に、広義には鷲鼻は鼻中隔軟骨の過発達を指しますが、分類は重要です。なぜなら手術のアプローチが全く異なるからです。


 鼻背が出っ張っているだけのハンプは、骨と軟骨を削るだけですっきりした鼻になります。


 一方テンションノーズを伴う鷲鼻は、 ハンプを削るだけでなく、テンションがかかった鼻尖の下垂を取り除く必要があります。ケースによっては突っ張りの根本原因である「大きすぎる鼻中隔軟骨」を適切にデプロジェクション(減量)することも検討します。

【重要】ハンプやテンションノーズの方がもし美容外科医に「あなたの鼻は土台が弱い」と言われたら、それは高い手術を売るためのセールストークです。騙されないでください。

美容外科手術アドバイス

ハンプのない方が、自然さを求めてハンプを作る手術を希望されることがあります。ハンプが美しいと考える方も世の中には大勢いますので、ハンプを削ったり無くしたりすることが全てだと考えないでください。

ただし、どうしても削りたい、すっきりしたデザインにしたい、という場合は、当院でも手術が可能です。

軽微なハンプからテンションノーズまでグラデーションがあります。一般的に鷲鼻と呼ばれるものは漠然としたイメージで明確な形態を指しているわけではありませんが、大まかに分類すると以下のような図となります。

ハンプとテンションノーズの関係を示す図。左にハンプのグループ、右にテンションノーズのグループがあり、それぞれの特徴を説明。

修正手術について

当院でははじめての手術だけでなく、他院手術で以下のような結果になった方の修正手術を多数手がけています。お気軽にご相談ください。

  • ハンプを削ってもらったはずなのにハンプが残っている
  • 希望したデザインにならなかった
  • ハンプ減量術と同時に鼻中隔延長を受けたが高くなりすぎた

様々な症例

もともとしっかりとした高さのある鼻のため、鼻中隔延長で延長させることよりも減量を目指すことが大切です。鼻中隔延長を受けて修正になる方は多いです。テンションノーズだけでなく、ハンプが気になる程度の症例も含めてご紹介します。

初回手術*すっきりとしたデザインに

左側は手術前の女性の横顔、右側は手術後9か月の横顔

・鼻骨々切り幅寄せ術

・鼻根部細片耳珠軟骨移植術

・上外側鼻軟骨・左側部分減量

・上外側鼻軟骨上・細片耳珠軟骨移植術

・鼻尖縮小術

・鼻尖部耳珠軟骨移植術

・梨状口縁部シリコンプロテーゼ挿入術

 (鼻翼基部プロテーゼ チタンスクリュー固定)

修正手術*すっきりとしたデザインに

左は手術前の女性の横顔、右は手術後7ヶ月の横顔

・ハンプ減量術
・鼻尖・鼻柱部移植耳軟骨摘出術
・左右下外側鼻軟骨形成術(ストラット法)

他院修正*鼻中隔延長を受け過度な高さになった鼻の修正

術前と術後6ヶ月の顔の側面を比較した画像

・ハンプ修正術(不整であり、平坦化)

・鼻尖・鼻背部移植耳軟骨摘出術

・延長移植軟骨全摘術

・鼻尖中間脚陥凹部耳軟骨移植術

・左右下外側鼻軟骨修正術

・左右鼻骨陥凹部細片耳軟骨移植術

・右上外側鼻軟骨陥凹変形部細片耳軟骨移植術

他院修正*ハンプ減量が不十分だった鼻の修正

術前の横顔と術後6ヶ月の横顔の比較画像

・再鼻骨々切り幅寄せ・ハンプ減量術(わし鼻再形成術)

・鼻中隔部IHCC全摘術

・再鼻中隔延長術(肋軟骨)

・鼻尖・鼻柱部細片耳珠軟骨移植術

初回手術*減量して整える

左:手術前の女性の横顔、右:手術後6ヶ月の女性の横顔

・ハンプ減量術(鼻骨~上外側鼻軟骨減量)
・耳甲介軟骨によるストラット法

初回手術*テンションノーズの減量と鼻尖形成

左:手術前、右:手術後7ヶ月の女性の横顔写真

・ハンプ部減量術(鼻骨・上外側鼻軟骨減量)
・カルメラストラット法による鼻尖形成術
  (片側耳甲介軟骨採取 同時に鼻尖偏位修正)

日本や韓国の美容外科では、鷲鼻の土台の高さを生かし、鼻背をそらせ鼻先をツンとさせるので迫力のある鼻になりがちです。一方で、欧米では鼻根を大胆に低くして鼻背をそらせ鼻先をツンとさせる傾向があります。これはSNS映えし一見美しい変化なのですが、上外側鼻軟骨が内側へ落ち込む、吸気時の鼻翼陥没といった大きなリスクがあります。美容外科手術は、「ほどほどが極み」です。やりすぎず、足りなくもない、そこを目指すことで健康と美しさの両方が手に入ります。

ご予約

初めての手術から修正手術までお気軽にお申し込みください。

医療法人社団S&T医会 

銀座すみれの花クリニック

院長 横山才也

日本形成外科学会認定専門医

日本美容外科学会専門医(JSAPS)